熊本市東部の幹線道路から少し入った住宅密集地に位置するこの建物は、築約30年の木造住宅を建て替えたものです。古い分譲地のこの辺りは、微地形的な高低差があり、三方を住宅やアパートに囲まれ、家の中にいてもお隣りやアパートの住人と目が合うこともしばしばだったといいます。さらに夏は暑くて冬は寒く、おまけに結露もすごいという家だったことから建て替えを計画。その際に施主から出された要望としては、外断熱・床暖房・その他機能的設備を積極的に取入れ、四季を通じた室内環境の快適化をなるべく省エネルギーに図りたいこと、コンパクトな大きさで、部屋を仕切らずオープンに暮らしたいこと、家の中にいて光の動きや風の流れを感じることができること、隣家の住人と目が合わないこと、そしてキッチンを中心とした間取りで、レストランのような、バーのような、それでいて気取ったところのないくつろげる雰囲気をつくって欲しいというものでした。これら明確な哲学にもとづく施主の意向と、敷地条件、周辺環境を考慮した結果、必然的にたどり着いたのがこのコートハウスです。外部からはクローズしながら、室内ではどこにいても家族の気配を感じられる、明るい室内を実現しています。中庭を中心に左右にプライベートとパブリックを振り分けており、1階はオーク色の落ち着いたインテリアで、和室以外の床材はすべてタイルです。2階はご主人の書斎兼SOHOオフィスで、こちらはフレンチパインの床に白い壁といった構成です。

1.玄関ホール(ミラー部分はキッチンとの仕切りも兼ねた収納部)　2.3.4.5.6.入ってすぐのキッチンとカウンター、テーブルが一体となったダイニング　7.8.ﾘﾋﾞﾝｸﾞからDK方面を見る。階段下部は収納も兼ね、そこに座ることもできる家具的つくり　9.ﾘﾋﾞﾝｸﾞ　10.11.12.和室　13.主寝室　14.子供室　15.洗面脱衣室　16.浴室　17.洗面脱衣室隣の洗濯室にはトップライトから太陽光が降り注ぎ、脱ぐ→洗う→干す→片付ける→着るがほぼ1ヶ所で完結　18.ﾄｲﾚ　19.20.2Fの書斎兼オフィス　21.22.23.中庭とそこでくつろぐ柴犬のﾚｵﾝ君　24.25.外観　